文献詳細
書評
芳野 純治,浜田 勉,川口 実(編)「内視鏡所見のよみ方と鑑別診断―上部消化管(第2版)」 フリーアクセス
著者: 飯田三雄1
所属機関: 1九州大学大学院病態機能内科学
ページ範囲:P.1024 - P.1024
文献概要
消化管の形態診断学は,内視鏡,X線,病理,それぞれの所見を厳密に対比検討することによって進歩してきた.毎月第3水曜日の夜に東京で開催される早期胃癌研究会は,毎回5例の消化管疾患症例が提示され,1例1例のX線・内視鏡所見と病理所見との対比が徹底的に討論されており,消化管形態診断学の原点とも言える研究会である.この研究会の運営委員およびその機関誌である雑誌「胃と腸」の編集委員を兼務している本書の編集者3氏は,いずれもわが国を代表する消化管診断学のエキスパートである.本書は,“消化管の形態診断学を実証主義の立場から徹底的に追求していく”という「胃と腸」誌の基本方針に準じて編集されているため,掲載された内視鏡写真はいずれも良質なものが厳選されている.また,内視鏡所見の成り立ちを説明すべく適宜加えられたX線写真や病理写真も美麗かつシャープなものばかりである.
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