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文献詳細

雑誌文献

臨床外科63巻8号

2008年08月発行

外科診療に潜むピットフォール―トラブル回避のためのリスクマネジメント講座・5

見逃されてしまった急性壊死性膵炎

著者: 山本貴章1

所属機関: 1東京海上日動メディカルサービス株式会社

ページ範囲:P.1093 - P.1096

文献概要

 うつ病,統合失調症などを含む様々な精神疾患に罹患している方の診察をする機会は意外に多く,ふだん外科医があまり使用しない内服薬の内容確認が必要になる場合もありますし,臨床症状が典型的でないこともあり,通常以上に慎重な診察が必要となる場合があります.また,様々な訴えを単なる不定愁訴と決め付けてしまうと重大な見落としにつながってしまうこともあります.今回は,アルコール多飲の習慣があり,うつ状態にあった男性に発症した急性壊死性膵炎の発見が遅れ,患者が死亡してしまうという深刻な結果に至った事例について検討してみます.

参考文献

1)エビデンスに基づいた急性膵炎の診療ガイドライン.第2版.金原出版,2007
2)山本正博:わが国における重症急性膵炎の臨床統計.斉藤洋一(編);日本における重症急性膵炎―診断と治療の手引き.国際図書出版,1991,pp11-26
3)林 櫻松,玉腰暁子,大野良之,他:急性膵炎の全国疫学調査成績.厚生科学研究特定疾患対策研究事業 特定疾患の疫学に関する研究班 平成11年度研究業績集.2000,pp72-78
4)大槻 眞:厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患克服研究事業 難治性膵疾患に関する調査研究 平成16年度総括・分担研究報告書.2004,pp56-62

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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