icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科63巻9号

2008年09月発行

カラーグラフ 外科手術における新しいテクニック―new art in surgery・18

低侵襲性小切開甲状腺手術

著者: 高見博1

所属機関: 1帝京大学医学部外科

ページ範囲:P.1165 - P.1170

文献概要

はじめに

 低侵襲性手術といっても,人の体に傷をつけるのであるから,その適応は厳格にし,不必要な手術は避けたい.また,前頸部の切開創が小さい利点はあるが,それによる合併症や,癌では根治性の低下などの可能性もある.普通の患者,特に中高齢者では切開創の瘢痕は術後1~2年でわからなくなる.癌では一部の微小癌が適応になる.しかし,低侵襲性甲状腺手術(minimally invasive thyroidectomy)の利点は大きく,患者の術後の苦痛,愁訴を極力減らし,退院・社会復帰を早くさせ,quality of life(QOL)が高くできることは言うまでもない.

 低侵襲性手術は小切開手術1),内視鏡補助下手術2,3),完全内視鏡手術4)に大別されるが,そのなかでも最も侵襲の小さいのは小切開手術であり,あとの2者は頸部の創がきわめて小さいか,まったくないかという整容上の利点を有するが,侵襲度はやや高い.

参考文献

1)Takami H, Ikeda Y:Minimally invasive thyroidectomy. ANZ J Surg 72:841-842, 2002
2)Miccoli P, Berti P, Conte M, et al:Minimally invasive video-assisted thyroidectomy. Am J Surg 181:567-570, 2001
3)Bellantone R, Lombardi CP, Rubino F, et al:Minimally invasive, totally gasless video-assisted thyroid-lobectomy. Am J Surg 177:342-343, 1999
4)Ikeda Y, Takami H, Sasaki Y, et al:Endoscopic neck surgery by the axillary approach. J Am Coll Surg 191:227-234, 2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら