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文献詳細

雑誌文献

臨床外科63巻9号

2008年09月発行

文献概要

特集 がんの切除範囲を考える―診断法とその妥当性

胃癌の切除範囲を考える―新しい手法とその妥当性

著者: 馬場秀夫1 吉田直矢1 渡邊雅之1

所属機関: 1熊本大学大学院医学薬学研究部消化器外科

ページ範囲:P.1183 - P.1186

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要旨:胃癌の治療は2004年に改訂された「胃癌ガイドライン」により,進行度に応じて内視鏡治療,縮小手術,定型手術の適応が定義された.このため深達度やリンパ節転移については,より正確な術前・術中診断が求められることになった.また,EMRをはじめとする内視鏡治療はガイドラインでは一括切除を行うことが求められており,病巣の範囲診断はきわめて重要である.2000年以降,拡大内視鏡や特殊光観察技術が一般臨床で行えるようになり,従来の色素法と比較して精度の高い診断が行えるようになってきた.また,手術においても,従来の迅速病理診断に加えてRT-PCRやTRCといったmolecularな手法による診断技術が研究されている.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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