文献詳細
臨床報告
巨大結腸症を呈した慢性特発性大腸偽性腸閉塞症の1例
著者: 松末亮1 浅生義人2 松末智2
所属機関: 1京都大学大学院医学研究科消化管外科学 2天理よろづ相談所病院腹部一般外科
ページ範囲:P.1281 - P.1285
文献概要
慢性特発性大腸偽性腸閉塞症(chronic idiopathic colonic pseudo-obstruction:以下,CICP)は腸管に明らかな器質的閉塞を認めず,また,原因となる基礎疾患や薬剤使用歴がないにもかかわらず正常な腸管輸送が障害され,腹部膨満,腹痛,便秘などの腸閉塞症状を大腸のみに反復する疾患である1).わが国ではCICPは報告例は少なくないが,その病態や治療法は確立されていない.
今回,われわれは,巨大結腸を呈し長期間の便秘症状ののち自己排便がまったく不可能になった症例に対して手術を施行し,良好な経過が得られたので報告する.
参考文献
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