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文献詳細

雑誌文献

臨床外科63巻9号

2008年09月発行

文献概要

臨床報告

肛門から突出する巨大腫瘤を形成し,Paget現象を伴った肛門管癌の1例

著者: 西山明宏1 尾藤利憲2 下浦真一2 池田宏国1 山本満雄1 勝山栄治3

所属機関: 1神戸市立医療センター西市民病院外科 2神戸市立医療センター西市民病院皮膚科 3神戸市立医療センター西市民病院病理科

ページ範囲:P.1295 - P.1298

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はじめに

 肛門管癌などの腺癌は,経上皮性に連続的に外陰や肛門周囲の表皮に波及するというPaget現象を伴うことがある.平松ら1)はわが国での直腸肛門管癌由来のPaget現象の報告は過去38例としているが,その後も症例は追加され,現在はわれわれが調べ得た限り46例の報告がある.比較的稀な現象であり,見落とされる可能性もある.しかし,臨床的には癌の根治性や乳房外Paget病との鑑別の必要性など重要な意味を持つ病変である.臨床所見のみで皮膚原発Paget病とPaget現象を鑑別することは困難であるが,免疫組織化学染色による検討が有用である.

 今回,Paget現象を伴った肛門管癌の診断と治療について文献的検討を交えて報告する.

参考文献

1)平松聖史,松浦 豊,河野 弘:肛門管腺癌を伴った肛門Paget病の1例.日臨外会誌 61:1511-1514,2000
2)日本皮膚悪性腫瘍学会(編):皮膚腫瘍取扱い規約.第1版.金原出版,2002,pp58-71
3)植木宏明,他(編):皮膚科専門医テキスト.第2版.南江堂,2002,pp653-654
4)大谷剛正,井原 厚,國場幸均,他:肛門部悪性腫瘍の診断・治療.臨外 59:1021-1027,2004
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9)川島拓也,宇谷厚志,山本克志,他:微小肛門管癌の発見につながった肛囲Paget病の1例.臨皮 58:678-680,2004
10)小杉光世,王  敏,寺畑信太郎,他:肛囲,外陰・腟にPagetoid spreadを伴った肛門管腺癌の1例.日本大腸肛門病会誌 55:359-365,2002
11)Wada H, Urabe H:Surgical treatment of genital Paget's disease in man. Ann Plast Surg 13:199-204, 1984
12)手越香里,宮下 文,中野且敬,他:肛囲Paget病.皮病診療 17:157-160,1995

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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