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臨床報告
肛門から突出する巨大腫瘤を形成し,Paget現象を伴った肛門管癌の1例
著者: 西山明宏1 尾藤利憲2 下浦真一2 池田宏国1 山本満雄1 勝山栄治3
所属機関: 1神戸市立医療センター西市民病院外科 2神戸市立医療センター西市民病院皮膚科 3神戸市立医療センター西市民病院病理科
ページ範囲:P.1295 - P.1298
文献購入ページに移動肛門管癌などの腺癌は,経上皮性に連続的に外陰や肛門周囲の表皮に波及するというPaget現象を伴うことがある.平松ら1)はわが国での直腸肛門管癌由来のPaget現象の報告は過去38例としているが,その後も症例は追加され,現在はわれわれが調べ得た限り46例の報告がある.比較的稀な現象であり,見落とされる可能性もある.しかし,臨床的には癌の根治性や乳房外Paget病との鑑別の必要性など重要な意味を持つ病変である.臨床所見のみで皮膚原発Paget病とPaget現象を鑑別することは困難であるが,免疫組織化学染色による検討が有用である.
今回,Paget現象を伴った肛門管癌の診断と治療について文献的検討を交えて報告する.
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