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文献詳細

雑誌文献

臨床外科64巻11号

2009年10月発行

文献概要

特集 できる!縫合・吻合 Ⅰ.縫合・吻合法の基本

縫合糸,針付き縫合糸,縫合材料の種類と使い分け

著者: 六車一哉1 久保尚士1 田中浩明1 山田靖哉1 澤田鉄二1 大平雅一1 平川弘聖1

所属機関: 1大阪市立大学大学院医学研究科腫瘍外科

ページ範囲:P.14 - P.17

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はじめに

 近年の平均寿命の延長によって,ヒトが人生において何らかの外科的手術を受ける機会は増加してきている.その際に体内に残存する縫合材料の代表的なものとして縫合糸が挙げられる.残存した縫合糸が誘因となり,術後に様々なトラブルを引き起こす可能性が報告されており,縫合糸の選択は術後の短・長期的な経過を左右する意味で非常に重要な要素と考えられる.1999年に米国厚生省疾病管理・予防センター(Centers for Disease Control and Prevention:CDC)から「Surgical site infection(以下,SSI)予防ガイドライン」が公開されて以来,わが国でもSSIに対する関心が高まってきており,さらに近年導入され定着しつつあるdiagnosis procedure combination(DPC)制度においては,SSIの予防は医療経済の面からもきわめて重要であるとされる1).実臨床においては,術野における吸収糸の使用がわが国ですでに常識化したSSI対策のエビデンスの1つとして認識されつつある2)

 本稿では,現在使用することの可能な縫合糸の特性や使用目的について概説し,SSI予防の観点から現時点での選択されるべきベストな縫合糸について述べる.

参考文献

1)樫村暢一:SSI予防と医療経済.日外感染症会誌 2:67-72,2005
2)草地信也,炭山嘉伸:術後感染症におけるSSI対策の位置づけ.臨外 62:1023-1027,2007
3)阿部秀樹,幕内雅敏:縫合糸.外科 67:1383-1389,2005
4)小林美奈子,大森教成,登内 仁,他:縫合糸膿瘍.日外感染症会誌 2:23-26,2005
5)Muftuoglu MA, Ozkan E, Saglam A:Effect of human pancreatic juice and bile on the tensile strength of suture materials. Am J Surg 188:200-203, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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