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特集 できる!縫合・吻合 Ⅲ.部位(術式)別の縫合・吻合法 3.胃
噴門側胃切除後の手縫いによる食道-胃吻合
著者: 久保尚士1 田中浩明1 山下好人2 六車一哉1 澤田鉄二1 大平雅一1 平川弘聖1
所属機関: 1大阪市立大学大学院医学研究科腫瘍外科 2大阪市立総合医療センター消化器外科
ページ範囲:P.146 - P.149
文献購入ページに移動噴門側胃切除術の多くは胃上部に限局する早期胃癌に対して行われているが,本術式を適応とする患者の多くは長期生存する可能性が高く,術後のquality of life(QOL)の保持は重要な問題である.特に逆流性食道炎の発生は食道残胃端々吻合で100%,端側吻合で60%と高率とされており1),その予防を目的とした噴門形成が諸家2,3)によって報告されている.
本稿では,噴門側胃切除後の噴門形成を付加した手縫いによる食道-胃吻合法を紹介する.本法は逆流性食道炎を抑え,吻合が簡便で,残胃の観察も容易な術式である.また近年,ほとんどの部位の消化管吻合に器械吻合が導入されているが,器械吻合が使用できないような状況に遭遇する可能性もあり,消化器外科医にとっては手縫いによる吻合法も習得しておくべきである.
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