icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科64巻11号

2009年10月発行

文献概要

特集 できる!縫合・吻合 Ⅲ.部位(術式)別の縫合・吻合法 3.胃

噴門側胃切除後の器械による食道-胃吻合

著者: 藤中良彦1 掛地吉弘1 前原喜彦1

所属機関: 1九州大学大学院医学研究院消化器・総合外科

ページ範囲:P.150 - P.153

文献購入ページに移動
はじめに

 U領域での胃癌の発生は少なく,噴門側胃切除の術後予後や合併症,残胃癌発生率,quality of life(QOL)の維持についてのエビデンスが少ないことから噴門側胃切除術が選択される症例は少ない.しかし,噴門側胃切除が胃全摘と比較して摂食量や術後体重回復などが良好であったという報告もあり,すべての上部胃癌症例に対して胃全摘術を施行することは好ましくない.そのため,根治性を下げることなく術後のQOLを維持するために各施設で様々な工夫が行われている1).また,噴門側胃切除後の食道-胃吻合においては,逆流性食道炎をいかに予防するかが重要なポイントであることが明らかである.

 本稿では,本手技の実際およびポイント,Pitfallを述べる.

参考文献

1)安達洋祐,山口和也,長尾成敏:癌手術における機能温存および機能再建術―胃癌―噴門側胃切除術.臨外 60:1549-1556,2005
2)松木伸夫,小林弘信,江嵐充治,他:神経温存噴門側胃切除術.臨外 58:1325-1331,2003
3)阿久津泰典,松原久裕:自動吻合器による食道空腸吻合のトラブル―その予防法と対処法.手術 62:1413-1417,2008
4)生田目公夫,幕内幹男,中村英豊,他:胃上部早期胃癌に対する噴門側胃切除術―噴門形成付加手術の意義について.手術 46:1991-1996,1992
5)吉住 豊,杉浦芳章,小池啓司,他:胃切除後,逆流性食道炎を防ぐ工夫―噴門側胃切除後の逆流防止機能を付加した食道胃吻合術.手術 51:1293-1297,1997

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?