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文献詳細

雑誌文献

臨床外科64巻11号

2009年10月発行

文献概要

特集 できる!縫合・吻合 Ⅲ.部位(術式)別の縫合・吻合法 3.胃

幽門保存胃切除術後の胃-胃吻合

著者: 白石憲男1 赤木智徳1 衛藤剛1 安田一弘1 北野正剛1

所属機関: 1大分大学医学部第1外科

ページ範囲:P.163 - P.165

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はじめに

 幽門保存胃切除術(pylorus preserving gastrectomy:以下,PPG)はMakiら1)によって潰瘍に対する手術として提唱された.近年の早期胃癌の占める割合の増加とともに,術後のダンピング症状や十二指腸液の逆流などの後遺症を最小限にし,胃の貯留機能や排泄機能を保つ縮小手術としてPPGが早期胃癌の治療に用いられるようになってきた2).しかしながら,その術式の適応や手技上の細かい点は施設によって異なっている3).また,PPG後の再建である胃-胃吻合に関しても,使用する糸や縫合法などは施設によって異なっている.

 本稿では,われわれが行っている胃-胃吻合を中心にPPG後の胃-胃吻合の手技の実際とそのコツを文献的考察を加えながら述べる.

参考文献

1)Maki T, Shiratori T, Hatafuku T, et al:Pylorus-preserving gastrectomy as an improved operation for gastric ulcer. Surgery 61:838-845, 1967
2)比企直樹,上西紀夫:早期胃癌に対する縮小手術・機能温存手術.外科治療 88:1033-1041,2003
3)二宮基樹:幽門保存胃切除術.荒井邦佳(編);Knack & Pitfalls胃外科の要点と盲点.文光堂2003,pp178-181
4)吉野肇一,久保田哲朗:胃癌に対する幽門側胃部分切除術と幽門温存手術の適応.外科治療 84:542-547,2001.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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