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文献詳細

雑誌文献

臨床外科64巻11号

2009年10月発行

文献概要

特集 できる!縫合・吻合 Ⅲ.部位(術式)別の縫合・吻合法 3.胃

十二指腸断端の器械による縫合閉鎖

著者: 遠藤和也1 掛地吉弘1 前原喜彦1

所属機関: 1九州大学大学院医学研究院消化器・総合外科

ページ範囲:P.166 - P.168

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はじめに

 十二指腸断端の縫合閉鎖は胃全摘術(Roux-Y再建)や幽門側胃切除(Roux-Y,Billroth Ⅱ法再建)といった手術で不可欠の過程である.十二指腸では胆汁や膵液といった消化液が多量に分泌されており,万が一,縫合不全を生じると活性化された消化液が漏出し,重篤な合併症を引き起こす.しかし,不可欠かつきわめて重要な十二指腸閉鎖という操作も,器械を用いれば初心者が行っても熟練者が行っても差はなく,良好な結果が得られる.また,腹腔鏡下手術の普及に伴って,十二指腸縫合閉鎖の際に手縫いではなく器械が用いられる頻度も増加してきている.

 本稿では,器械を用いた十二指腸断端縫合閉鎖について(1)器械使用の前段階における胃,十二指腸の処理,(2)器械の種類と選択,(3)断端の埋没の3点について述べる.

参考文献

1)荒武寿樹,小川真平,亀岡信悟:自動縫合器,吻合器の種類と特徴.消外 29:273-287,2006
2)Miyoshi K, Fuchimoto S, Ohsaki T, et al:Suture line recurrence in jejunal pouch replaced after total gastrectomy for gastric cancer. Gastric cancer 2:194-197, 1999
3)栗栖 茂:縫合器断端はそのまま放置する,それとも埋没縫合する?.臨外 58:348-349,2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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