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文献詳細

雑誌文献

臨床外科64巻11号

2009年10月発行

文献概要

特集 できる!縫合・吻合 Ⅲ.部位(術式)別の縫合・吻合法 3.胃

十二指腸部分切除後の手縫いによる十二指腸-空腸吻合

著者: 今野弘之1 神谷欣志1

所属機関: 1浜松医科大学外科学第2講座

ページ範囲:P.174 - P.176

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はじめに

 十二指腸の部分切除が行われるのは,粘膜下腫瘍,カルチノイドなどの摘出や,大腸癌,胆囊癌などの十二指腸浸潤,胆囊十二指腸瘻,外傷性損傷などの場合である.実際には2~3cmにわたって切除した場合でも十二指腸を十分に脱転することによって縫合閉鎖することが可能である.したがって,十二指腸部分切除後の十二指腸-空腸吻合は,腫瘍浸潤や炎症の波及のためにかなり広範囲に切除しなければならない場合など,その適応はきわめて限られている.

 十二指腸も空腸も血行はきわめて良好であり,ほかの消化管吻合に比べて十二指腸-空腸吻合による縫合不全は発生しにくい.しかし,ひとたび十二指腸の縫合不全が発生すると,きわめて重篤な状態に陥る可能性が高いため,細心の注意を払って吻合を行う必要がある1)

参考文献

1)今野弘之,鈴木昌八,中村 達:十二指腸部分切除後の手縫いによる十二指腸-空腸吻合.臨外 53:209-210(増刊号),1998

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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