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特集 できる!縫合・吻合 Ⅲ.部位(術式)別の縫合・吻合法 5.大腸
結腸亜全摘術後の手縫いによる回腸-直腸吻合
著者: 廣純一郎1 荒木俊光1 三木誓雄1 楠正人1
所属機関: 1三重大学大学院医学系研究科消化管・小児外科学
ページ範囲:P.227 - P.229
文献購入ページに移動結腸亜全摘術後の回腸-直腸吻合術(ileorectal anastomosis:IRA)は,1943年にWagensteen1)により報告され,潰瘍性大腸炎や大腸ポリポーシスなど大腸全体に病変を認める疾患に術後の機能を考慮して行われてきた.
しかしながら,根治性と良好な術後の排便機能を合わせ持つ大腸全摘術,直腸粘膜切除術,J型回腸囊-肛門管吻合術が標準術式として確立し2),IRAは徐々に行われなくなり,近年は左側結腸癌の閉塞や汎結腸にわたる大腸憩室炎,結腸温存が困難な難治性大腸型クローン病に対する一期的手術の1つとして行われている.
最近ではdouble stapling technique(DST)による器械吻合が主流となりつつあるが,器械のトラブルや,ステイプルによる組織損傷を認めた場合など器械吻合が困難と判断される場合には手縫い吻合が必要となり,基本手術手技として重要であると考えている.ここでは,吻合の手技とその注意点について解説する.
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