icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科64巻11号

2009年10月発行

文献概要

特集 できる!縫合・吻合 Ⅲ.部位(術式)別の縫合・吻合法 5.大腸

前方切除術後の手縫いによる結腸-直腸吻合

著者: 平井孝1

所属機関: 1愛知県がんセンター中央病院消化器外科

ページ範囲:P.248 - P.251

文献購入ページに移動
はじめに

 直腸の切除手技である前方切除は,肛門側切離線が腹膜翻転部以下となった場合を低位前方切除,それ以上を高位前方切除と呼ぶ.吻合としては口側結腸と残存直腸の吻合を行う.吻合線が腹膜翻転部より口側になると,肛門側直腸に漿膜が残って腸管壁の強度が保たれるとされるが,残るのは前壁の一部であり,吻合での腸管壁の強度は高位・低位前方切除ともほぼ同じと考えられる.もちろん,低い部位での吻合である低位前方切除のほうが,視野の展開に工夫を要し,操作も難しくなる.

 現在,前方切除では,保険で使用が認可されたため吻合器を用いる施設が多いと思われるが,諸事情で吻合器を使用できない場合には手縫いによる吻合も必要であり,習得しておくべきであろう.

参考文献

1)平井 孝,金光幸秀,小森康司:腹会陰式直腸切断術.消外 32:1209-1218,2009
2)Gambee LP, Garnjobst W, Hardwick CE:Ten years' experience with a single layer anastomosis in colon surgery. Am J Surg 92:222-227, 1956

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?