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文献詳細

雑誌文献

臨床外科64巻11号

2009年10月発行

文献概要

特集 できる!縫合・吻合 Ⅲ.部位(術式)別の縫合・吻合法 7.膵・脾

門脈の縫合・吻合

著者: 杉本博行1 中尾昭公1

所属機関: 1名古屋大学大学院医学系研究科消化器外科学

ページ範囲:P.321 - P.324

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はじめに

 膵癌では門脈,上腸間膜静脈浸潤をきたすことが多く,癌を遺残なく切除するためには血管合併切除を必要とする場合が少なからず存在する.膵頭部癌における門脈合併切除群は門脈合併切除非施行群と同等の生存率が期待できると報告され,膵癌診療ガイドライン1)でも門脈合併切除により切除断端および剝離面における癌浸潤を陰性にできる症例に限って門脈合併切除の適応となるとしており,いまや門脈合併切除は膵臓外科領域では必須の手技となっている.本稿では,膵頭部領域癌における門脈再建を中心に門脈の縫合法について述べる.

参考文献

1)日本膵臓学会膵癌診療ガイドライン作成小委員会(編):科学的根拠に基づく膵癌診療ガイドライン.金原出版,2006
2)Nakao A, Nonami T, Harada A, et al:Portal vein resection with a new antithrombogenic catheter. Surgery 108:913-918, 1990
3)Starzl TE, Iwatsuki S, Shaw BW Jr:A growth factor in fine vascular anastomoses. Surg Gynecol Obstet 159:164-165, 1984
4)Nakao A, Takeda S, Inoue S, et al:Indications and techniques of extended resection for pancreatic cancer. World J Surg 30:976-982, 2006
5)Miyazaki M, Itoh H, Kaiho T, et al:Portal vein reconstruction at the hepatic hilus using a left renal vein graft. J Am Coll Surg 180:497-498, 1995

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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