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文献詳細

雑誌文献

臨床外科64巻11号

2009年10月発行

文献概要

特集 できる!縫合・吻合 Ⅲ.部位(術式)別の縫合・吻合法 7.膵・脾

膵-空腸吻合:膵断端空腸内嵌入法

著者: 木下壽文1

所属機関: 1久留米大学医学部外科学

ページ範囲:P.332 - P.335

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はじめに

 膵頭十二指腸切除術の再建術式のなかで最も重要な吻合は膵-空腸吻合である.特に膵管の拡張がなく膵組織が軟らかい場合の吻合には注意を要する.膵断端空腸内嵌入法では,膵断端の膵組織が直接消化液に曝されて二次的障害を受けないように膵断端を空腸壁で十分に覆っている.縫合にはatraumatic needleの非吸収性縫合糸(ナイロン糸)を用いると出血,血腫形成も少なく強固な吻合ができる1,2).膵断端空腸内嵌入法は操作が簡単であり,膵を空腸内に重積させるので接合面が広く,強固で安全性も高いため賞用される術式である3)

参考文献

1)中山和道:膵頭十二指腸切除再建術.草間 悟(編);消化管再建術 外科Mook増刊1.金原出版,1982,pp412-420
2)中山和道:膵頭十二指腸切除後の消化管再建術式のいろいろ;当科における膵頭十二指腸切除後の消化管再建術式.手術 43:1113-1119,1989
3)佐藤寿雄:膵頭十二指腸切除術.消外 1:1-18,1978
4)中山和道,木下壽文,小須賀健一:各種膵・消化管吻合の特徴・適応・選択.手術 48:1905-1915,1994
5)木下壽文,中山和道:膵空腸端々吻合.木村 理(編);Knack & Pit falls膵脾外科の要点と盲点.文光堂,2002,pp198-199

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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