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文献詳細

雑誌文献

臨床外科64巻13号

2009年12月発行

文献概要

特集 内視鏡下手術―もう一歩のステップアップのために

腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術(TAPP法)における高難度症例に対する手技のコツ

著者: 三好康敬1 鈴江ひとみ1 坂東儀昭2

所属機関: 1鈴江病院外科 2健康保険鳴門病院外科

ページ範囲:P.1709 - P.1715

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要旨:筆者は2009年3月までに437例の腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術(TAPP法)を経験し,ほぼ定型的な手技を完成させたと考えている.TAPP法は手技の完成度と病変の診断能が最も高いが,指導者不足と手技が難しいとの誤解があり十分には広まっていない.さらに,TAPP法を導入したものの手技に慣れる前の早い段階で難しい症例に出会いTAPP法を断念した外科医も多い.しかし高難度手術症例においても,熟練した指導医の下でいくつかの要点を押さえて行えばその手技は複雑ではなく,比較的容易で安全に行えると考えている.筆者の経験をもとにそのコツを述べた.そして,初回手術が腹膜前腔に操作の及ぶ再発症例などの難しい症例は,手技に習熟するまでは熟練した指導者とともに行うことを原則とするべきことを付け加えて強調した.

参考文献

1)早川哲史,真辺忠夫:腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術 さまざまなTAPP法とその利点.手術別冊最新アッペ・ヘモ・ヘルニア・下肢バリックスの手術:209-216,2005
2)松本純夫:腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術.手術 47:645-650,1993
3)三好康敬:鼠径部ヘルニアに対する腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術(TAPP法)の実際.外科治療 95:678-682,2006
4)三好康敬:腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術(TAPP法)の特徴.外科治療 99:288-292,2008
5)内視鏡外科手術に関するアンケート調査 第9回集計結果報告.内視鏡外科学会雑誌 13:515-518,2008
6)棚瀨信太郎:メッシュを用いる鼠径ヘルニア手術.消外 25:397-411,2002
7)三好康敬,鈴江ひとみ,坂東儀昭:閉鎖孔ヘルニアの診断と治療.外科治療 100:669-675,2008
8)岡田忠雄,佐々木文章,藤堂 省:外鼠径ヘルニア手術 膀胱損傷,卵巣損傷など.小児外科 35:460-466,2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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