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文献詳細

雑誌文献

臨床外科64巻13号

2009年12月発行

特集 内視鏡下手術―もう一歩のステップアップのために

内視鏡下系統的乳腺切除術・内視鏡下腋窩リンパ節手術の理論と実際

著者: 山形基夫1 松田年1 杉山順子1 加茂知久1 森下友起恵1 佐藤一雄1 林成興1 藤井雅志1 高山忠利1

所属機関: 1駿河台日本大学病院外科

ページ範囲:P.1723 - P.1731

文献概要

要旨:近年,乳癌に対する低侵襲治療やoncoplastic surgeryの概念が普及し,乳房の整容性について注目されている.われわれは乳輪アプローチによる内視鏡下乳房温存手術の有用性と術後遠隔成績について,通常法と遜色がないことを報告してきた.乳癌のような長期生存が可能な疾患においては長期的侵襲の軽減,すなわち整容性とともに上肢の機能をいかに温存するかが術後のQOLを確保するうえで重要である.現在われわれは,乳房の整容性保持のため乳腺部分切除から皮下乳腺全摘術までを同一の手術創から一期的に施行できる内視鏡下系統的乳腺切除術を施行している.また内視鏡下腋窩リンパ節郭清術の長期成績から上腕の浮腫や機能障害はほとんどみられず,長期的な侵襲の低下と十分な整容性が認められており,この2つの術式を用いた乳房温存術式の理論と実際について述べた.現在種々の低侵襲治療が開発されているが,本法は腫瘍の大きさにかかわらず施行できるため有用であると考えられる.

参考文献

1)Baildam AD:Oncoplastic surgery of the breast. Br J Surg 89:532-533, 2002
2)Berry M, Fitoussi AD, Curnier A, et al:Oncoplastic breast surgery:A review and systematic approach. J Plast Reconstr Aesthet Surg 124:9-17, 2009
3)D'Aniello C, Grimaldi L, Barbato A, et al:Cosmetic results in 242 patients treated by conservative surgery for breast cancer. Scand J Plast Reconstr Surg Hand Surg 33:419-422, 1999
4)山下浩二:乳腺内視鏡手術の適応とその限界 整容性の評価.日鏡外会誌 10:165-170,2005
5)佐貫潤一,福間英祐,和田守憲二,他:乳房温存手術後の整容性向上のための工夫.乳癌の臨 18:486-487,2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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