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文献詳細

雑誌文献

臨床外科64巻2号

2009年02月発行

文献概要

昨日の患者

娘を偲ぶ

著者: 中川国利1

所属機関: 1仙台赤十字病院外科

ページ範囲:P.216 - P.216

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 嬉しいこと悲しいこと,様々な経験を積み重ねて人生は形成される.楽しい思い出だけで人生を過ごせれば最高の幸せであるが,ときに悶えるような辛いこともある.最も耐えがたい悲しいことは,やはり身近な人との別れだと思う.年長者である祖父母の死に接し,そして両親を見送り,最後に自分自身が子供や孫に看取られるのが世の常である.しかし,見送られる順番が異なると,残された遺族の悲しみは増す.

 Iさんは集団検診での便潜血反応陽性を契機に大腸癌が発見され,手術を目的に紹介されてきた.いつものように手術の必要性を説明し,術前検査を受けることを勧めた.しかし,Iさんは早期に手術することを躊躇し,1か月半ほどの猶予を願い出た.癌のために手術が必要だと説明すると,少しでも早期の手術を望むのが常である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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