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文献詳細

雑誌文献

臨床外科64巻5号

2009年05月発行

文献概要

特集 炎症性腸疾患外科治療のcontroversy 〔潰瘍性大腸炎に対する最適な外科治療とは?〕 全大腸切除術:1期手術か2期・3期手術か

2期・3期手術の立場から

著者: 小川仁1 高橋賢一2 舟山裕士2

所属機関: 1東北大学大学院医学系研究科生体調節外科 2東北労災病院大腸肛門外科

ページ範囲:P.587 - P.591

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要旨:潰瘍性大腸炎に対して1期手術を行うか2期・3期分割手術を行うかの問題は,diverting loop ileostomyの必要性および3期手術の有用性に集約される.Diverting loop ileostomyは吻合部の安静と早期経口摂取開始を目的として大腸全摘・回腸囊肛門(管)吻合の際に造設される.これを造設しない1期手術(特に手縫いで行う回腸囊肛門吻合)は,本術式に熟練した施設で症例を選択して行うのでない限り避けたほうが無難である.また3期手術は,全身状態の改善や救命を目的として回腸囊肛門(管)吻合術の前に大腸亜全摘・回腸ストーマ造設手術を行うものであり,しばしば術前の全身/栄養状態が不良な本症では有用な術式である.

参考文献

1)Utsunomiya J, Iwama T, Imajo M, et al:Total colectomy, mucosal proctectomy, and ileoanal anastomosis. Dis Colon Rectum 23:459-466, 1980
2)Ikeuchi H, Nakano H, Uchino M, et al:Safety of one-stage restorative proctocolectomy for ulcerative colitis. Dis Colon Rectum 48:1550-1555, 2005
3)山村武平,池内浩基:潰瘍性大腸炎外科治療の変遷と臨床成績.落合武徳(編);大腸癌・炎症性腸疾患―専門医から学ぶ最新治療.メジカルビュー社,2004,pp26-41
4)杉田 昭,小金井一隆,木村英明,他:大腸全摘後再建術.日外会誌 109:269-273,2008
5)高橋賢一,舟山裕士,福島浩平,他:大腸全摘術を施行した潰瘍性大腸炎に対する栄養管理.日腹部救急医会誌 28:903-908,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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