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文献詳細

雑誌文献

臨床外科64巻6号

2009年06月発行

文献概要

臨床報告・1

S状結腸癌・肝内胆管転移の1例

著者: 白幡康弘1 相磯崇1 橋爪英二1 矢島美穂子2 栗谷義樹1

所属機関: 1山形県・酒田市病院機構日本海総合病院外科 2山形県・酒田市病院機構日本海総合病院臨床検査科

ページ範囲:P.825 - P.829

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はじめに

 肝内胆管の悪性腫瘍として,原発性胆管癌が挙げられるが,大腸癌肝転移の胆管浸潤との鑑別が困難なことが多い.両者の鑑別としてcytokeratin(以下,CK)-7,CK-20による免疫染色の有用性が指摘されている1~5).また,転移性肝癌としては経門脈経路の大腸癌の転移性肝癌が通常であるが,全身性の血行性転移の1形式として,肝内胆管転移ということも考えられる.しかし,肝内胆管転移についての報告は稀である.大腸癌由来の転移性腫瘍であっても経門脈的な転移性肝癌と全身的・経動脈的な肝内胆管転移では転移の経緯が異なる.今回われわれは,大腸癌切除後に転移性肺癌を切除したのち,大腸癌の肝内胆管転移と診断された稀な症例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.

参考文献

1)Rullier A, Le Bail B, Fawaz R, et al:Cytokeratin 7 and 20 expression in cholangiocaricinoma varies along the biliary tract but still differs from that in colorectal caricinoma metastasis. Am J Surg Pathol 24:870-876, 2000
2)Chu P, Wu E, Weiss LM:Cytokeratin 7 and cytokeratin 20 expression in epithelial neoplasms:a suervey of 435 cases. Mod Pathol 13:962-972, 2000
3)Tot T:Adenocarcinomas metastatic to the liver:the value of cytokeratins 20 and 7 in the search for unknown primary tumors. Cancer 85:171-177, 1999
4)全 陽,中沼安二:胆管細胞性腫瘍の生検診断 肝内胆管癌の診断とその鑑別診断を中心に.病理と臨 23:146-151,2005
5)日野原千速,枝元良広,寺島裕夫,他:大腸原発の転移性肝腫瘍が疑われた肝内胆管癌の1切除症例.Liver Cancer 12:163-171,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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