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文献詳細

雑誌文献

臨床外科64巻7号

2009年07月発行

文献概要

私の工夫 手術・処置・手順

腹腔鏡下手術時の小切開創を目立たなくするための工夫

著者: 芝﨑英仁1 松本潤2 木下敬弘3 久保木知1 中村力也1 岡田淑1 尾形章1 宮崎勝4

所属機関: 1国保松戸市立病院外科 2東京都立府中病院外科 3東邦大学医療センター佐倉病院消化器センター外科 4千葉大学大学院医学研究院臓器制御外科学

ページ範囲:P.959 - P.961

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【はじめに】

 近年は腹腔鏡下手術が普及し,完全腹腔鏡下手術も徐々に増えてきている.完全腹腔鏡下手術では腹腔内で切除や再建などを行うが,標本などを取り出すためには小切開創が必要となる.われわれは松本ら1)とともに腹腔鏡下手術施行時のファーストポート挿入時に臍切開法を行い,その有用性を報告した2,3).現在では臍切開法を応用し,完全腹腔鏡下手術における標準的な小切開創とすることによって創が目立たないように工夫している.臍切開を行っている病院は全国的に少なくないと思われるが,その報告は非常に少なく4),その方法を詳しく示した報告は現在までのところない.

 臍を切開することに対して抵抗がある施設も多いように見受けられるが,実際に施行してみると想像以上にその利点を実感すると思われるため,本稿ではその手術手技を報告することとした.

参考文献

1)松本 潤,今村和弘,高西喜重郎:腹腔鏡下手術時の臍部縦切開によるfirst port挿入法.日鏡外会誌 10:312(抄録集),2005
2)芝﨑英仁,安倍己紀男,河木 潤,他:創を目立たなくするための工夫―腹腔鏡下手術に臍切開を導入して.日鏡外会誌 10:313(抄録集),2005
3)芝﨑英仁,安倍己紀男,飯塚 勇,他:創を目立たなくするための工夫2―臍切開法および2mmポートを組み合わせて.日鏡外会誌 11:261(抄録集),2006
4)河村祐一郎,金谷誠一郎,岩崎寛智,他:完全腹腔鏡下胃切除術における標本摘出の工夫―臍縦切開法.日鏡外会誌 13:449-452,2008
5)藤原道隆,三澤一成,木下敬史,他:腹腔鏡下手術の第1ポート挿入におけるオプティカル法(optical view method)の検討.日消外会誌 41:1240,2008
6)Tacchino R, Greco F, Matera D:Single-incision laparoscopic cholecystectomy:surgery without a visible scar. Surg Endosc 23:896-899, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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