臨床外科64巻7号

2009年07月発行

臨床報告・1

脳転移を契機に発見された上行結腸癌の1例

著者： 宇高徹総¹ 小林成行¹ 葉山牧夫¹ 久保雅俊¹ 水田稔¹ 白川和豊¹

所属機関： ¹三豊総合病院外科

ページ範囲：P.973 - P.977

はじめに

　大腸癌の脳転移は日常臨床において時々遭遇する疾患ではあるが，同時性となると頻度は0.1％である^1）．この場合，通常は肝・肺転移が併存するものが大半であるが，本症例のように肝・肺転移を伴わない大腸癌の孤立性脳転移は非常に稀である．本稿では若干の文献的考察を加えて報告する．

参考文献

1）大腸癌研究会（編）：大腸癌治療ガイドライン．医師用．2005年版．金原出版，2005，p23

2）岡部　聡，杉原健一：大腸癌血行性転移の外科治療．臨外 56：767-773，2001

3）Hammoud MA, McCutcheon IE, Elsouki R, et al：Colorectal carcinoma and brain metastasis：distribution, treatment, and survival. Ann Surg Oncol 3：453-463, 1996

4）Alden TD, Gianino JW, Saclarides TJ, et al：Brain metastases from colorectal cancer. Dis Colon Rectum 39：541-545, 1996

5）Cascino TL, Leavengood JM, Kemeny N, et al：Brain metastases from colon cancer. J Neuro Oncol 1：203-209, 1983

6）脳腫瘍全国統計委員会：脳腫瘍全国集計調査報告．vol. 6．1987

7）渋井壮一郎：臨床腫瘍学XII癌患者への補助療法ならびに合併症対策G．脳転移．井村裕夫，他（編）：最新内科学体系80．中山書店，1995，pp398-402

8）稲村孝紀：腫瘍性疾患　転移性脳腫瘍．日本臨床別冊神経症候群Ⅲ250-254，2000