文献詳細
ロンドン外科学史瞥見・4
文献概要
フレミング博物館
外科学の歴史だけにとどまらず,リスターとともに感染制御に関連して医学史上重要な位置を占めるのが,1929年に世界初の抗生物質であるペニシリン(penicillin)を発見したフレミング(Alexander Fleming:1881~1955年:図1)であることは論を俟たない.このペニシリン発見の舞台となったSt Mary's hospital(セント・メリー病院:図2)にフレミングによるペニシリン発見を顕彰した博物館があるとのことで,女性日本人ガイドを雇って家内と連れだって訪れた.
このセント・メリー病院は,現在はロンドンの西の玄関口となっているパディントン駅の傍らに1835年に創設されたイギリスでは比較的新しい病院であり,現在もロンドン市内の重要な病院として機能している(図3).ピカデリー・サーカス駅から地下鉄に乗り込み,パディントン駅で降りて地上に出ると,すぐに瀟洒な建物が目に入る.フレミングによるペニシリン発見を記念・顕彰した博物館がこの建物の2階部分にあることは,その外壁にそのことを記した銘板が掲げられていることですぐにわかる(この銘板にはごく簡単に「SIR ALEXANDER FLEMING 1881-1955 discovered PENICILLIN in the second storey room above this plaque」と記されている:図4).
外科学の歴史だけにとどまらず,リスターとともに感染制御に関連して医学史上重要な位置を占めるのが,1929年に世界初の抗生物質であるペニシリン(penicillin)を発見したフレミング(Alexander Fleming:1881~1955年:図1)であることは論を俟たない.このペニシリン発見の舞台となったSt Mary's hospital(セント・メリー病院:図2)にフレミングによるペニシリン発見を顕彰した博物館があるとのことで,女性日本人ガイドを雇って家内と連れだって訪れた.
このセント・メリー病院は,現在はロンドンの西の玄関口となっているパディントン駅の傍らに1835年に創設されたイギリスでは比較的新しい病院であり,現在もロンドン市内の重要な病院として機能している(図3).ピカデリー・サーカス駅から地下鉄に乗り込み,パディントン駅で降りて地上に出ると,すぐに瀟洒な建物が目に入る.フレミングによるペニシリン発見を記念・顕彰した博物館がこの建物の2階部分にあることは,その外壁にそのことを記した銘板が掲げられていることですぐにわかる(この銘板にはごく簡単に「SIR ALEXANDER FLEMING 1881-1955 discovered PENICILLIN in the second storey room above this plaque」と記されている:図4).
参考文献
1)アンドレ・モロワ:新庄嘉昭,平岡篤頼(訳):フレミングの生涯.新潮社,1964
2)Fleming A:On the antibacterial action of a penicillum, with special reference to their use in the isolation of B. influenzae. Brit J Exp Med 10:226, 1929
3)Chain EB, Florey HW, Gardner AD, et al:Penicillin as a chemotherapeutic agent. Lancet 24:226-228, 1940
1)井山弘幸:偶然の科学誌.大修館書店,1995
2)ロイストン・M・ロバーツ:安藤喬志(訳):セレンディピティ―思いがけない発見・発明のドラマ.化学同人,1993
掲載誌情報