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文献詳細

雑誌文献

臨床外科64巻9号

2009年09月発行

文献概要

臨床報告

高度肥満の腹壁瘢痕ヘルニア嵌頓に対して腹腔鏡下で水圧法によって整復し得た1例

著者: 井上宰1 石井正1 初貝和明1 大原勝人1 更科広記1 金田巖1

所属機関: 1石巻赤十字病院外科

ページ範囲:P.1273 - P.1276

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はじめに

 腹壁瘢痕ヘルニアに対しては様々な術式が考案されているが,単純縫合閉鎖は再発率が高いため,メッシュを用いたヘルニア修復が望ましいとされている1).さらに近年は腹腔鏡下手術が導入され,再発率が低く合併症も少ないため良好な成績が報告されている1)

 今回われわれは,腹壁瘢痕ヘルニアによる小腸嵌頓でイレウスを発症した高度肥満症例に対して,緊急に腹腔鏡下で水圧法を用いて小腸嵌頓を整復し,メッシュでヘルニアを修復し得た症例を経験したので報告する.

参考文献

1)Toy FK, Bailey RW, Carey CW, et al:Prospective, multicenter study of laparoscopic ventral hernioplasty. Surg Endosc 12:955-959, 1998
2)菅 和男,千葉憲哉,古川正人,他:ネラトンを使用した生食注入法による腹腔鏡下閉鎖孔ヘルニア嵌頓解除.手術 58:2167-2171,2004
3)宮崎真一郎,中川基人,金井歳雄,他:閉鎖孔ヘルニア嵌頓に対して水圧法による整復を試みた5例.日臨外会誌 67:1946-1949,2006
4)長尾二郎:腹壁瘢痕ヘルニアの手術.外科 63:970-975,2001
5)井谷史嗣,吉鷹知也,石井辰明,他:腹壁ヘルニアに対するコンポジックスE/Xメッシュを用いた腹腔鏡下ヘルニア修復術.手術 57:995-999,2003
6)McGreevy JM, Goodney PP, Birkmeyer CM, et al:A prospective study comparing the complication rates between laparoscopic and open ventral hernia repairs. Surg Endosc 17:1778-1780, 2003
7)Birgisson G, Park AE, Mastrangelo MJ, et al:Obesity and laparoscopic repair of ventral hernias. Surg Endosc 15:1419-1422, 2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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