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文献詳細

雑誌文献

臨床外科65巻1号

2010年01月発行

文献概要

昨日の患者

いつまでも元気で仲良くね

著者: 中川国利1

所属機関: 1仙台赤十字病院外科

ページ範囲:P.149 - P.149

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 遺言状とは死後のことを書き残した文書であり,多くの場合は財産の分与が記載されていることが多い.しかし,残された家族の幸せを願い,文章をしたためる人もいる.

 90歳を超えたばかりのSさんが癌の再発で入院した.補液によって一時的ながら全身状態は改善し,鎮痛剤により疼痛も消失した.Sさんは,脚が冷えると言っては奥さんが編んだ靴下を履いた.奥さんや娘さん達が見舞うと「赤とんぼ」「めだかの学校」「夕日」などの童謡を歌い,死を目前にしているとは思えないほど明るく振る舞った.また,孫に電気かみそりで髭を剃ってもらっては男前を発揮し,目薬をつけてもらっては涙を隠した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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