臨床外科65巻1号

2010年01月発行

臨床報告

過食による急性胃拡張のため胃壊死をきたした1例

著者： 高久秀哉¹ 長倉成憲¹ 鈴木俊繁¹ 及川明奈¹ 小海秀央¹ 齋藤英俊¹

所属機関： ¹水戸済生会総合病院外科

ページ範囲：P.151 - P.154

文献概要

はじめに

　胃は血流が豊富な臓器であり，壊死に陥ることは少ないと報告されている^1,2）．今回われわれは，過食から胃拡張をきたし，胃壊死・胃破裂に至った症例を経験したので報告する．

参考文献

1）Babkin BP, Armour JA, Webster DR, et al：Restoration of the functional capacity of the stomach when deprived of its arterial blood supply. Can Med Assoc J 48：1-10, 1943

2）Somervall TH：Physiologic gastrectomy. Br J Surg 33：146-152, 1945

3）高木　融，土田明彦，青木達哉：この患者をどう診断するか　解答　急性胃拡張による胃壊死．クリニシアン 53：640-641，2006

4）夏目誠治，寺崎正起，後藤康友，他：急性胃拡張が誘因になって発症した胃壊死の1例．日本腹部救急医誌 23：1075-1078，2003

5）金田繁樹，宮沢秀明，小林智子，他：ダイエットコントロール中の過食により急性胃拡張を呈した一例．東京医科大誌 54：66-68，1996

6）松尾定憲，天野定雄，櫻井健一，他：過食による急性胃拡張で緊急開腹術となった神経性食思不振症の1例．日外連会誌 31：175-178，2006

7）尾内雅美，遠藤幸男，辻　英一，他：大食症による胃破裂にGaseous syndromeを合併した稀な1例．日救急医会関東誌 17：544-545，1996

8）豊島秀浩，佐瀬正博，福田春彦，他：胃壊死に陥った過食症の1例．日臨外会誌 58：378-381，1997

9）臼田昌広，小泉雅典，國府田博之，他：過食後の急性胃拡張により胃壊死をきたした1例．日消外会誌 31：2346-2349，1998

10）太田大介，高木　融，逢坂由昭，他：過食による胃壊死の1例．日臨外会誌 61：2961-2966，2000

11）新垣美郁代，鈴木隆文，菊池友允，他：神経性食思不振症患者の過食後胃破裂の1例．日腹部救急医誌 23：1113-1117，2003

12）服部正嗣，木田一郎，松下英信，他：過食後胃破裂の1例．日臨外会誌 69：2229-2234，2008

13）Edlich RF, Borner JW, Kuphal J, et al：Gastric blood flow. Am J Surg 120：35-38, 1970