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文献詳細

雑誌文献

臨床外科65巻10号

2010年10月発行

文献概要

特集 乳糜胸水・腹水を考える―その原因と対策 〔リンパ管・リンパ液の基礎知識〕

外科医に必要なリンパ液の生理・生化学的知識

著者: 四方裕夫1

所属機関: 1金沢医科大学心臓血管外科学

ページ範囲:P.1346 - P.1349

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要旨:成人の乳糜の生産量は1,500~2,500mlであり,小腸上皮細胞から放出され,長鎖脂肪酸,カイロミクロンがリンパ管に入り,胸管を経由して鎖骨下静脈で体循環へ流入する.乳糜は長鎖脂肪酸,カイロミクロンがその主体であり,組成は血清にほぼ等しく,食餌だけでなく交感神経・副交感神経などの自律神経がリンパ流に影響を及ぼす.このカイロミクロンを主としたリンパ液の経路に多くの場合損傷が生じて胸腹腔内に漏れ出たものが,乳糜胸水・乳糜腹水である.外科医が遭遇する稀な合併症ではあるが,遭遇した場合には治療に難渋することが多い.白い排液の鑑別には,乳糜であれば,ズダンⅢ染色で脂肪粒子の粒状乳糜がオレンジ色を呈する.また,乳糜にエーテルを加え混合振動すると透明となり(エーテル溶解試験),乳糜であることが判明する.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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