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文献詳細

雑誌文献

臨床外科65巻12号

2010年11月発行

文献概要

特集 新しいエネルギーデバイスの構造と使い方のコツ 〔器具の構造と使い方のコツ〕

腹腔鏡下手術におけるバイポーラシザーズの使用法

著者: 李相雄1 奥田準二1 野村栄治1 田中慶太朗1 近藤圭策1 徳原孝哉1 茅野新1 横山和武1 藤岡大也1 谷川允彦1

所属機関: 1大阪医科大学一般・消化器外科

ページ範囲:P.1504 - P.1507

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要旨:電気メスは,高周波交流電流を発生させて高密度電流が組織を流れるときに発生する熱を利用し,凝固や切開を行う手術機器である.電気メスはモノポーラとバイポーラに分けられるが,バイポーラ器具は両先端部が電極となっており,挟んだ組織にのみ電流が流れて乾燥凝固する.このために凝固層が広がらず安全性が高い.バイポーラシザーズは,バイポーラの止血機能に剪刀の切開機能が付加された手術器具である.細血管を含む膜の切開や癒合筋膜の剝離,主要血管周囲のリンパ節郭清,特に神経温存郭清などの局面で有用である.両刃を大きく開いて組織を切離するのではなく,刃先で少しずつ剝離し,残った神経線維や細血管などを凝固したのちに切離するという繊細な操作が要求される.バイポーラシザーズの特徴と性能を正しく理解して使用することで,安全で精度の高い腹腔鏡下手術が可能となる.

参考文献

を含む.消外 27:1531-1539,2004
2)松村輔二:電気メス.胸部外科 62:638-642,2009
3)坂本宣英,宮川菊雄:バイポーラ電気メスの使い方.臨外 61:423-426,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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