臨床外科65巻12号

2010年11月発行

特集 新しいエネルギーデバイスの構造と使い方のコツ

〔器具の構造と使い方のコツ〕

新しい凝固止血装置―バイクランプ

著者： 三好篤¹ 井手貴雄¹ 北原賢二¹ 能城浩和¹

所属機関： ¹佐賀大学医学部一般・消化器外科

ページ範囲：P.1518 - P.1522

文献概要

要旨：バイクランプ（BiClamp：エルベ社）はVIO高周波装置によるサーモフュージョンによって組織を凝固止血するバイポーラ電気凝固止血装置である．その止血効果と安全性はそのほかのベッセルシーリングシステムと同等である．バイクランプの最大の特徴はリユーザブルであることであり，コストおよび医療廃棄物削減において有用である．また，ラチェット式ではないため，術者が触覚で組織の厚みを感じ，調整しながら止血をすることが可能であり，VIOシステムのアップグレードのみで新たなジェネレーターは必要としない．

参考文献

1）小濱和貴，坂井義治：外科基本手技・処置　手術器具の種類と使い方　腹腔鏡手術に必要な器具とその使い方．外科治療 101：248-252，2009

2）福山尚治，江川新一，砂村眞琴，他：装置　ベッセルシーリングシステム．外科 67：1555-1558，2005

3）Sakuragi T, Okazaki Y, Mitsuoka M, et al：The utility of a reusable bipolar sealing instrument, BiClamp, for pulmonary resection. Eur J Cardiothorac Surg 34：1968-1973, 2008

4）Richter S, Kollmar O, Schilling MK, et al：Efficacy and quality of vessel sealing. Surg Endosc 20：890-894, 2006

5）Richter S, Kollmar O, Schilling MK, et al：Differential response of arteries and veins to bipolar vessel sealing：evaluation of a novel reusable device. J Laparoendosc Adv Tech A 16：149-155, 2006