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関東腹腔鏡下胃切除研究会(編著)「腹腔鏡下胃切除術―一目でわかる術野展開とテクニック(第2版)」
著者: 寺島雅典1
所属機関: 1静岡県立静岡がんセンター胃外科
ページ範囲:P.1606 - P.1606
文献購入ページに移動 腹腔鏡下胃切除術が平成14年に保険収載されて以来,症例数は年々増加傾向にある.先日実施された日本胃癌学会のガイドラインに関するコンセンサスミーティングのアンケートでは,胃癌手術を実施している施設の実に90%以上が腹腔鏡下胃切除術を既に実施しているか,近い将来に導入予定であるという結果であった.現在わが国で年間10,000例以上が腹腔鏡下胃切除術を受けていると推定されている.また,日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)では腹腔鏡下胃切除術の安全性を検証する臨床第Ⅱ相試験を実施し,安全性に問題がないことが確認されたため臨床第Ⅲ相試験に移行している.このように腹腔鏡下胃切除術は実地臨床としても臨床試験としても急速な発展を遂げている.しかし,実際に腹腔鏡下手術で多数の症例をこなしている施設はまだ少なく,多くの施設ではいまだ本格的な導入には至っていない.
その大きな理由としては,上腹部の解剖の複雑性に起因する手技の繁雑さや,切除後の再建術式の多様性などにより,腹腔鏡下胃切除術では比較的高度な手術手技が必要とされることが挙げられる.腹腔鏡下胃切除を円滑に導入するためには,上腹部の解剖を熟知することと同時に,腹腔鏡下手術ならではのポイント,すなわちスコープを通して得られる術野の見え方,助手の効果的な術野の見せ方などについて習熟する必要がある.これまで,いくつかの腹腔鏡下胃切除術に関する手術書が存在したが,実際の術野の見え方や見せ方について記述したものはほとんど存在しない.これは学会のビデオなどを見ていても同様であり,実際に腹腔鏡下胃切除を導入しようとする際に大きな壁に突き当たることが多い.
その大きな理由としては,上腹部の解剖の複雑性に起因する手技の繁雑さや,切除後の再建術式の多様性などにより,腹腔鏡下胃切除術では比較的高度な手術手技が必要とされることが挙げられる.腹腔鏡下胃切除を円滑に導入するためには,上腹部の解剖を熟知することと同時に,腹腔鏡下手術ならではのポイント,すなわちスコープを通して得られる術野の見え方,助手の効果的な術野の見せ方などについて習熟する必要がある.これまで,いくつかの腹腔鏡下胃切除術に関する手術書が存在したが,実際の術野の見え方や見せ方について記述したものはほとんど存在しない.これは学会のビデオなどを見ていても同様であり,実際に腹腔鏡下胃切除を導入しようとする際に大きな壁に突き当たることが多い.
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