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文献詳細

雑誌文献

臨床外科65巻13号

2010年12月発行

文献概要

特集 「出血量ゼロ」をめざした消化管癌の内視鏡下手術 〔胃癌〕

腹腔鏡下噴門側胃切除術

著者: 持木彫人1 豊増嘉高1 大野哲郎1 浅尾高行1 桑野博行1

所属機関: 1群馬大学大学院病態総合外科

ページ範囲:P.1636 - P.1641

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要旨:腹腔鏡下噴門側胃切除術は上部の早期胃癌に対して行われる術式であり,徐々に施行施設が増加している.腹腔鏡下手術では視野の確保が最も重要であり,常にドライな環境で行う必要がある.腹腔鏡下噴門側胃切除術で出血しやすい部位は脾臓下極,膵上縁,脾門部である.この部位を丹念な操作で行えば,ドライな環境で手術が行える.脾臓下極では左胃大網動脈が横行結腸,脾臓,膵尾部に挟まれているため注意が必要である.また,膵上縁でのリンパ節郭清では,リンパ節に流入する血管の処理が重要になる.そして脾門部においては,十分な視野展開のもとに血管周囲の脂肪,リンパ節を丁寧に剝離し,出血させない操作が必要になる.

参考文献

1)Mochiki E, Toyomasu Y, Ogata K, et al:Laparoscopically assisted total gastrectomy with lymph node dissection for upper and middle gastric cancer. Surg Endosc 22:1997-2002, 2008
2)Sakuramoto S, Yamashita K, Kikuchi S, et al:Clinical experience of laparoscopy-assisted proximal gastrectomy with Toupet-like partial fundoplication in early gastric cancer for preventing reflux esophagitis. J Am Coll Surg 209:344-351, 2009
3)Aihara R, Mochiki E, Ohno T, et al:Laparoscopy-assisted proximal gastrectomy with gastric tube reconstruction for early gastric cancer. Surg Endosc 24:2343-2348, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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