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文献詳細

雑誌文献

臨床外科65巻13号

2010年12月発行

文献概要

特集 「出血量ゼロ」をめざした消化管癌の内視鏡下手術 〔結腸癌〕

腹腔鏡下右半結腸切除術

著者: 猪股雅史1 白下英史1 衛藤剛1 安田一弘1 白石憲男1 北野正剛1

所属機関: 1大分大学医学部第一外科

ページ範囲:P.1648 - P.1653

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要旨:内視鏡外科手術は,拡大視・平行視効果を利用することにより,従来手術以上の繊細で安全な手術を可能にし得る.そのためには,確実に出血を回避し得る手技上の工夫が必要である.腹腔鏡下右半結腸切除術において,①剝離授動では回結腸動静脈幹・後腹膜下筋膜・十二指腸水平脚・上腸間膜静脈をランドマークとし,後腹膜と結腸・結腸間膜との間に先行して広い安全スペースを形成すること,②surgical trunkの郭清では,術前3D-CT画像による中結腸動静脈系のvariationを把握しておくこと,③腹腔内にて腸管の十分な後腹膜からの授動と副右結腸静脈の処理を行っておくこと,が「出血量ゼロ」をめざした手技の工夫として重要である.

参考文献

1)福永正氣,木所昭夫,射場敏明,他:右側結腸進行癌に対する腹腔鏡下手術,後腹膜剝離先行内側アプローチ法.消外 26:1703-1714,2003
2)岡島正純,有田道典,池田 聡,他:腹腔鏡下右側結腸切除術のコツ.臨外 58:472-476,2003
3)奥田準二,谷川允彦:右側結腸癌に対する腹腔鏡下手術.外科治療 93:563-578,2005
4)山本聖一郎,藤田 伸,赤須孝之,他:右側結腸進行癌に対する腹腔鏡下右半結腸切除術の手技のポイント.日鏡外会誌 13:67-73,2008
5)長谷川博俊,石井良幸,遠藤高志,他:標準的腹腔鏡下結腸右半切除術.外科治療 100:102-103,2009
6)Yamaguchi S, Kuroyanagi H, Milsom JW, et al:Venous anatomy of the right colon:precise structure of the major veins and gastrocolic trunk in 58 cadavers. Dis Colon Rectum 45:1337-1340, 2002
7)大腸癌研究会(編):大腸癌治療ガイドライン2009年版,金原出版,2009
8)日本内視鏡外科学会(編):内視鏡外科診療ガイドライン2008年版,金原出版,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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