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文献詳細

雑誌文献

臨床外科65巻13号

2010年12月発行

文献概要

特集 「出血量ゼロ」をめざした消化管癌の内視鏡下手術 〔結腸癌〕

腹腔鏡下左半結腸切除/S状結腸切除術―出血量を最小限にするための手順と止血のコツ

著者: 花井恒一1 前田耕太郎1 升森宏次1 松岡宏1 勝野秀稔1

所属機関: 1藤田保健衛生大学下部消化管外科

ページ範囲:P.1654 - P.1661

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要旨:大腸癌手術の原則は,膜構造を維持し癌細胞散布をさせないようにen-blockに切除を行うことである.この原則を守り,視野が限られる腹腔鏡下大腸切除術を円滑に進めるには,出血をコントロールしながら膜構造を維持した手術を行うことが重要である.そのポイントは,①中小血管,実質臓器,間膜構造などの解剖学的位置関係を十分理解し,出血しやすい部位を把握しておくこと,②腹腔鏡下手術の特徴に配慮した,鉗子やエネルギー源の器具の適切な選択や手技を行うこと,③助手との連携によって,良好な視野展開で手術を進める,④細かな血管でも止血する,⑤出血時には出血源や出血量に応じた適切な器具を選択し,止血を的確に行うこと,などである.これらを遵守することで,癌手術の原則を守った腹腔鏡下手術が可能となる.

参考文献

1)岡本圭史,児玉公道,川井克司,他:腸間膜動脈(A. intermesenterica)の形態学的意義.医学と生物学 114:251-254,1987
2)Adachi B:Das Arteriensystem der Japaner. Band Ⅱ. 1928, Maruzen, Kyoto
3)Koizumi M, Horiguchi M:Accessory arteries supplying the human transverse colon. Acta Anat 137:246-251, 1990
4)坂井義治:内視鏡下消化管手術―精緻な手術と新たな手術教育法の模索.Fronti Gastroenterol 13:115-125,2008
5)三毛牧夫,加納宣康:総説 腹腔鏡下左側結腸切除術における視野に関する考察―特に結腸脾彎曲部の筋膜構成.臨外 64:813-820,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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