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文献詳細

雑誌文献

臨床外科65巻13号

2010年12月発行

文献概要

特集 「出血量ゼロ」をめざした消化管癌の内視鏡下手術 〔直腸癌〕

腹腔鏡下直腸切断術・側方郭清術

著者: 福永正氣1 菅野雅彦1 李慶文1 永仮邦彦1 須田健1 飯田義人1 吉川征一郎1 伊藤嘉智1 大内昌和1 勝野剛太郎1 平崎憲範1 津村秀憲1

所属機関: 1順天堂大学医学部附属浦安病院外科

ページ範囲:P.1676 - P.1682

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要旨:直腸癌に対する腹腔鏡下手術(LAP)は結腸癌に比べ手技的に高難度なこと,腫瘍学的安全性のエビデンスが不十分なことなどより標準手術とは位置づけられていない.特に直腸切断術・側方郭清は骨盤深部で,しかも複雑に脈管や神経が錯綜する領域での手技である.LAPの利点である視認性の良さ,拡大視効果を活かすには出血させない,わずかな出血も徹底して止血することが不可欠である.この利点を活かしたうえで本術式を定型化することが,正確に,しかも安全に手術を遂行するうえで重要である.本稿では手技とポイントについて解説した.

参考文献

1)大腸癌研究会(編):大腸癌治療ガイドライン医師用 2009年版.金原出版,2009
2)安野正道,杉原健一:直腸癌に対する側方郭清の最新の考え方.外科 68:1043-1048,2006
3)藤田 伸:直腸癌に対する側方リンパ節郭清.消外 32:1219-1226,2009
4)福永正氣,木所昭夫,射場敏明,他:直腸癌に対する腹腔鏡下側方郭清術.手術 59:1585-1590,2005
5)福永正氣,吉川征一郎:鏡視下手術 直腸癌手術 側方郭清術.消外 30:871-879,2007
6)Kinugasa Y, Sugihara K:Topology of the fascial structures in rectal surgery:complete cancer resection and the importance of avoiding autonomic nerve injury. Semin Colon Rectal Surg 21:95-101, 2010
7)黒柳洋弥,大矢雅敏,上野雅資,他:直腸周囲剝離と直腸切離・再建.消外 29:1615-1622,2006
8)渡邊聡明,名川弘一:腹会陰式直腸切断術.手術 58:927-932,2004
9)野村明成,坂井義治:直腸切断術(悪性)Digestive Surgery NOW直腸・肛門外科手術 5 標準手術とステップアップ手術,渡邊昌彦(編),pp64-84,2009
10)高橋慶一,松本 寛,山口達郎,他:下部直腸癌に対する側方リンパ節郭清.手術 63:181-184,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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