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文献詳細

雑誌文献

臨床外科65巻2号

2010年02月発行

文献概要

臨床報告

Direct Kugel Patchにて治療した閉鎖孔ヘルニア再々発の1例

著者: 森和弘1 蕪木友則1 石井要1 岩田啓子1 経田淳1 竹山茂1

所属機関: 1黒部市民病院外科

ページ範囲:P.275 - P.279

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要旨:症例は81歳,女性.主訴は,腹痛・嘔吐.2007年4月,右閉鎖孔ヘルニアに対し,開腹下にメッシュシートを用いてヘルニア修復術を施行されたが,退院後25日目に右閉鎖孔ヘルニアの再発を認め,徒手整復術が施行された.2008年1月,腹痛・嘔吐が出現したため当院の救急外来を受診し,右閉鎖孔ヘルニアの再々発と診断された.鼠径法にて手術を施行した.横筋筋膜を切開し腹膜前腔に到達したところ,閉鎖孔に嵌頓したヘルニア囊を認めた.ヘルニア囊を剝離・開放したのち腹膜前腔にDirect Kugel Patchを留置した.術後の経過は良好で,術後19か月目の現在,再発は認めていない.閉鎖孔ヘルニアに対して,本法は確実に閉鎖孔を閉鎖でき再発例にも応用できる有用な術式と思われた.

参考文献

1)水沼和之,中塚博文,藤高嗣生,他:閉鎖孔ヘルニアに対しDirect Kugelパッチを用い修復した1治験例.広島医学 59:753-755,2006
2)馬場慎司,間中 大,玉木一路,他:Direct Kugelパッチを用いて鼠径アプローチにより修復した閉鎖孔ヘルニアの1例.手術 62:1885-1887,2008
3)坂本昌義:鼠径ヘルニアの手術;最近の工夫 Inlay法.消外 25:441-445,2002
4)河野哲夫,日向 理,本田勇二:閉鎖孔ヘルニア 最近6年間の本邦報告257例の集計検討.日臨外会誌 63:1847-1852,2002
5)山本孝夫,森内博紀,西脇由朗,他:閉鎖孔ヘルニア20症例の検討.日腹部救急医会誌 27:435-440,2007
6)金澤伸郎,横山康行,吉田孝司,他:閉鎖孔ヘルニアの検討.日臨外会誌 69:2168-2172,2008
7)松村 篤,渡辺信介,増山 守,他:開腹下にmesh repairを行った後,再発した閉鎖孔ヘルニアの1例.日腹部救急医会誌 26:334,2006
8)伊藤昭宏,丹羽信之助,日比野壮貴,他:再発した閉鎖孔ヘルニアの1例.日臨外会誌 69:545,2008
9)石田善敬,廣瀬宏一,河北公孝,他:Kugel patchとメッシュプラグを併用した閉鎖孔ヘルニア・大腿ヘルニア同時修復術の1例.手術 58:1229-1231,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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