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あとがき
著者: 畠山勝義
所属機関:
ページ範囲:P.320 - P.320
文献購入ページに移動 2006年第61巻第8号のこの欄で新潟県佐渡市におけるトキ(朱鷺)の人工繁殖を,2008年第63巻第8号では試験放鳥のための訓練について,2009年第64巻第1号では第1回目の10羽の試験放鳥について紹介したので,今回はトキに関しての4回目の紹介となる.
第1回目の試験放鳥(2008年9月25日)に引き続いて,2009年9月29日に2回目の放鳥が行われた.今回は雄が8羽,雌が12羽の合計20羽である.そして今回の放鳥の特色は,前回の「ハードリリース」方式の反省から「ソフトリリース」方式にしたことである.前回は,「ハードリリース」といって1羽ずつ狭い箱に入れられていたトキを1羽ずつ次々と放鳥したのであるが,これに加えて観衆に驚かされたことも原因となり,結果的には全く群れを作らずバラバラに行動することになった.そこで今回は「ソフトリリース」とし,仮設ケージにあらかじめ放鳥する20羽を入れて慣らしておき,そのケージの1端を開放して自然にケージから飛び立たせたのである.この結果,開放当日の29日は2羽が,30日には11羽が,10月1日には3羽(このうちの1羽は直ぐに保護された)が,2日には2羽が,そして3日には2羽がケージから飛び立ち,5日間ですべてのトキが自然のかたちで飼育ケージから自然の山里へと飛翔したのである.この「ソフトリリース」の好影響と思われるが,約2か月した現在もなおトキは群れを形成して過ごしている.このように群れを形成していれば,春には自然環境のなかでの繁殖も大いに期待されるとのことである.自然の山野で自然孵化した雛を是非ともみたいものである.
一方,第1回目に放鳥されたトキのうち,4羽(いずれも雌である)が本州に飛び渡ってきており,このなかで現在3羽の生存が確認されている.識別番号が3番のトキは新潟県燕市で,4番トキは富山県黒部市で,13番トキは新潟県長岡市で確認された.このなかで13番トキは,7月15日より新潟大学のすぐ近く(新潟市西区内野)に4か月ほど住んでいた.このため,学長が遊び心でこのトキに学生証を発行している.在籍番号は「091001(2009年10月01日の意味)」,所属は「自然再生学」,氏名は「飛翔カズミ(識別番号が13なのでカズミとした)」である.学長は「遊び心」としているが,粋なはからいと評判である.このような学生が多数入学し,大学キャンパスでいつでもみられる環境になることを望むものである.
第1回目の試験放鳥(2008年9月25日)に引き続いて,2009年9月29日に2回目の放鳥が行われた.今回は雄が8羽,雌が12羽の合計20羽である.そして今回の放鳥の特色は,前回の「ハードリリース」方式の反省から「ソフトリリース」方式にしたことである.前回は,「ハードリリース」といって1羽ずつ狭い箱に入れられていたトキを1羽ずつ次々と放鳥したのであるが,これに加えて観衆に驚かされたことも原因となり,結果的には全く群れを作らずバラバラに行動することになった.そこで今回は「ソフトリリース」とし,仮設ケージにあらかじめ放鳥する20羽を入れて慣らしておき,そのケージの1端を開放して自然にケージから飛び立たせたのである.この結果,開放当日の29日は2羽が,30日には11羽が,10月1日には3羽(このうちの1羽は直ぐに保護された)が,2日には2羽が,そして3日には2羽がケージから飛び立ち,5日間ですべてのトキが自然のかたちで飼育ケージから自然の山里へと飛翔したのである.この「ソフトリリース」の好影響と思われるが,約2か月した現在もなおトキは群れを形成して過ごしている.このように群れを形成していれば,春には自然環境のなかでの繁殖も大いに期待されるとのことである.自然の山野で自然孵化した雛を是非ともみたいものである.
一方,第1回目に放鳥されたトキのうち,4羽(いずれも雌である)が本州に飛び渡ってきており,このなかで現在3羽の生存が確認されている.識別番号が3番のトキは新潟県燕市で,4番トキは富山県黒部市で,13番トキは新潟県長岡市で確認された.このなかで13番トキは,7月15日より新潟大学のすぐ近く(新潟市西区内野)に4か月ほど住んでいた.このため,学長が遊び心でこのトキに学生証を発行している.在籍番号は「091001(2009年10月01日の意味)」,所属は「自然再生学」,氏名は「飛翔カズミ(識別番号が13なのでカズミとした)」である.学長は「遊び心」としているが,粋なはからいと評判である.このような学生が多数入学し,大学キャンパスでいつでもみられる環境になることを望むものである.
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