文献詳細
カラーグラフ エキスパート愛用の手術器具,手術材料・16
文献概要
はじめに
消化器外科領域において下大静脈再建は,癌腫が下大静脈(IVC)に浸潤し,その壁を合併切除する際に施行される術式である.ただし,IVCが完全に癌の浸潤のために閉塞し,側副血行が十分に発達しているときには再建は必ずしも必要ではない.筆者の経験では下大静脈肉腫において切除のみで再建を行わなかった症例を経験している.再建方法としては,壁の単純縫合閉鎖,パッチグラフトによる再建,人工血管による分節的置換がある.また,再建に際しては循環動態を維持する工夫が必要となる.
本稿では,本術式に際して筆者が使用している手術器具・材料と,循環動態維持の工夫について筆者の経験を述べる.
消化器外科領域において下大静脈再建は,癌腫が下大静脈(IVC)に浸潤し,その壁を合併切除する際に施行される術式である.ただし,IVCが完全に癌の浸潤のために閉塞し,側副血行が十分に発達しているときには再建は必ずしも必要ではない.筆者の経験では下大静脈肉腫において切除のみで再建を行わなかった症例を経験している.再建方法としては,壁の単純縫合閉鎖,パッチグラフトによる再建,人工血管による分節的置換がある.また,再建に際しては循環動態を維持する工夫が必要となる.
本稿では,本術式に際して筆者が使用している手術器具・材料と,循環動態維持の工夫について筆者の経験を述べる.
参考文献
1)Arii S, Teramoto K, Kawamura T, et al:Significance of hepatic resection combined with inferior vena cava resection and its reconstruction with expanded polytetrafluoroethylene for treatment of liver tumors. J Am Coll Surg 196:243-249, 2003
2)有井滋樹,中村典明:下大静脈合併肝切除.手術 61:1587-1592,2007
掲載誌情報