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文献詳細

雑誌文献

臨床外科65巻5号

2010年05月発行

臨床研究

大腿ヘルニア嵌頓症例の臨床的検討

著者: 葉山牧夫1 久保雅俊1 宇高徹総1 前田宏也1 水田稔1 白川和豊1

所属機関: 1三豊総合病院外科

ページ範囲:P.703 - P.707

文献概要

要旨:大腿ヘルニア嵌頓によって緊急手術となった60例を対象として臨床的に検討した.嵌頓症例の年齢は80.2±8.3歳で,80歳以上が34例(57%)であり,女性が53例(88%)を占めた.嵌頓臓器は小腸が50例(83%)を占めた.小腸嵌頓症例50例のなかで,発症から手術までの経過時間が24時間を超える症例が28例(56%)を占め,そのうち19例において小腸切除を必要とした.24時間以内に手術となった症例では22例中6例のみで小腸切除が必要となり,両群間に有意差を認めた.術後合併症は小腸切除症例において有意に多く認めた.小腸切除を回避するためにも,早期診断および早期治療が肝要であると考えられた.

参考文献

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3)飯田 豊,嘉屋和夫,松友博和,他:大腿ヘルニア症例の臨床的検討.外科 60:834-837,2000
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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