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1200字通信・14
蓋し名言
著者: 板野聡1
所属機関: 1寺田病院外科
ページ範囲:P.812 - P.812
文献購入ページに移動 今年の春にもまた,医師国家試験の合格発表がありました.例の初期研修のためか,私たちの頃の発表時期に比べると,ずいぶん早くなっているようです.いずれにしても,また新たな医師のヒナ達が誕生したわけで,その門出を心から祝い,立派な若鳥に育って欲しいと期待しています.しかし,これまでの湾内の穏やかな水面に比べて相当に荒れている外海の荒波を見るにつけ,その前途の多難を心配する気持ちが沸いてくるのを抑えられないのも現実ではあります.
そんなヒナ達のなかに私の知る産婦人科医のお嬢さんがいました.彼女もまた,医師をしている彼女の父親や伯父達の背中を見て医師を目指したそうですが,一方の父親はというと,「今のご時勢では苦労するだけだから」と医学部への入学には消極的であり,「一度も医者になって欲しいなどと言ったことはない」とのことでした.そうは言いながらも,国家試験の合格を聞いたのちの彼の目尻は下がりっぱなしで,彼の心中をよく表わしていると感じられることではありました.
そんなヒナ達のなかに私の知る産婦人科医のお嬢さんがいました.彼女もまた,医師をしている彼女の父親や伯父達の背中を見て医師を目指したそうですが,一方の父親はというと,「今のご時勢では苦労するだけだから」と医学部への入学には消極的であり,「一度も医者になって欲しいなどと言ったことはない」とのことでした.そうは言いながらも,国家試験の合格を聞いたのちの彼の目尻は下がりっぱなしで,彼の心中をよく表わしていると感じられることではありました.
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