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文献詳細

雑誌文献

臨床外科65巻7号

2010年07月発行

勤務医コラム・14

癌が再発したら

著者: 中島公洋1

所属機関: 1慈仁会酒井病院外科

ページ範囲:P.1011 - P.1011

文献概要

 自分が手術を担当した患者さんの癌が再発したら……まずがっかりする.これから先,いつ頃どういうことが起こって,どう処置したらこうなって,そうして最終的にこうなる,という流れ図が頭のなかに浮かんでしまう.はじめから切除不能の場合も似たような流れ図が浮かんでくる.

 Negativeな気持ちをふり払って治療を始める.患者さんの年齢,性,性格,仕事,経済状態,家族構成などを考えて,なるべくよさそうな方法を選ぶ.できるだけ副作用がないように,お金がかからぬように,よく効くように,と願いつつやる.“抗癌剤の作用機序”のような理屈はさておき,とにかく気持ちを込めてやるしかない.気持ちで解決するほどヤワな問題ではないが,気持ちしか持っていないのだから仕方ない.「あきらめず,とことんつき合う」それしかない.当然,屍の山だ.しかしそのなかにポツンと咲く花をたまに見つける.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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