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文献詳細

雑誌文献

臨床外科65巻7号

2010年07月発行

私の工夫―手術・処置・手順

根部結紮を併用する痔核硬化療法(L・ALTA)

著者: 出口浩之1

所属機関: 1ときわ病院外科

ページ範囲:P.1014 - P.1015

文献概要

【はじめに】

 Aluminum potassium sulfate tannic acid hydrate(ジオン®)による痔核硬化療法(ALTA)は今や内痔核疾患に対して第1選択の治療法になりつつあり,一般的には4段階注射法として周知され,良好な治療成績が報告されている.反面,徐脈1,2)に代表される心血管系の副作用や直腸潰瘍からの出血・狭窄などの有害事象も報告されている3,4).前者は主としてジオンの注入量とその速度に影響を受け,後者は過度の注入量と不適切な部位への注入が原因と考えられる.

 筆者はこれらを防ぐための方法として4段階注射法の第1段階注射に代えて,痔核上極の上直腸動脈流入部の結紮を併用したALTA療法(ALTA with ligation:L・ALTA)を行っているので,その結果を報告する.

参考文献

1)有山 淳,杉本祐司,今西宏和,他:OC-108(Zione)による内痔核硬化療法施行中に生じた徐脈の検討.臨麻 31:1717-1720,2007
2)鉢呂芳一,國本正雄,安部達也,他:新しい痔核硬化療法 ジオン注200症例.日本大腸肛門会誌 59:317-321,2006
無痛化剤付,ジオン注生食液付使用成績調査,特定使用成績調査.中間集計結果のご報告(第2回).田辺三菱製薬株式会社,2008年11月
4)Takano M, Iwadare J, Ohba H, et al:Sclerosing therapy of internal hemorrhoids with a novel sclerosing agent. Comparison with ligation and excision. Int J Colorectal Dis 21:44-51, 2006
5)出口浩之:根部結紮を併用するALTA療法(L・ALTA)の試み.第4回内痔核治療法研究会総会記録集.2009,pp32-33

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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