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文献詳細

雑誌文献

臨床外科65巻8号

2010年08月発行

文献概要

特集 ESD時代の外科治療 食道癌に対するESD

東海大学医学部付属病院での「外科の対応」

著者: 島田英雄1 幕内博康1 小澤壯治1 千野修1 西隆之1 葉梨智子1 山本壮一郎1 名久井実1 数野暁人1

所属機関: 1東海大学医学部消化器外科

ページ範囲:P.1072 - P.1079

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要旨:今日,早期食道癌に対する治療法として内視鏡的切除が積極的に行われ,食道を温存できるメリットから適応拡大が進んでいる.内視鏡的切除は内視鏡的粘膜切除術(EMR)と内視鏡的粘膜下層はく離術(ESD)に大別され,食道癌に対するESDが保険収載され3年になる.EMRでは分割切除が余儀なくされた病巣も一括切除が可能になった.しかし,局所治療であることに変わりはなく,リンパ節転移の危険性のない病巣が対象となる.ESDと外科治療に関して論議となる点は,①深達度からみた適応拡大,②周在性からみた適応拡大,③ESD後の病理結果からの追加手術,の3点に集約される.ESDの普及が外科治療に及ぼす影響は何なのか.現況のERの適応とその治療成績について解説した.

参考文献

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2)幕内博康,島田英雄,千野 修,他:食道m3・sm1癌の治療成績,EMRと手術の長期予後.胃と腸 37:53-63,2002
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4)幕内博康,島田英雄,千野 修,他:食道扁平上皮癌に対する内視鏡的切除術の適応.胃と腸 44:311-324,2009
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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