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文献詳細

雑誌文献

臨床外科65巻8号

2010年08月発行

文献概要

特集 ESD時代の外科治療 大腸癌に対するESD

慶應義塾大学病院での「外科の対応」

著者: 長谷川博俊1 飯田修史1 石井良幸1 遠藤高志1 岡林剛史1 平田玲1 代永和秀1 今枝博之2 北川雄光1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部外科 2慶應義塾大学病院内視鏡センター

ページ範囲:P.1112 - P.1115

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要旨:近年,内視鏡的粘膜下層はく離術(ESD)が早期大腸癌に対しても臨床導入され,2cm以上の大きな腫瘍も内視鏡的に一括切除が可能となった.適応については腫瘍最大径5~6cm,環周度1/2までとしている.ESD後の合併症は,穿孔を1例(1%)に認め,保存的に治癒した以外認めなかった.ESD後の追加腸切除では全例で腹腔鏡下腸切除術を施行し,術中・術後合併症は経験していない.

 ESDの導入により,pM癌に対する腹腔鏡下手術の役割は明らかに減少した.報告ではESDは穿孔などの合併症の頻度も高いが,症例を選べば安全に施行可能であり,内視鏡的粘膜切除術(EMR)の適応とならないcM癌・cSM軽度浸潤癌に対しては,まずESDを考慮すべきと思われる.

参考文献

1)大腸癌研究会(編):大腸癌治療ガイドライン医師用,2009年版,金原出版,2009
2)田中信治:大腸ESDの現状と将来展望.胃と腸 42:1049-1052,2007
3)田中信治,岡 志郎,平田真由子,他:従来法による大腸EMRのメリットと適応および治療成績.消内視鏡 20:328-337,2008
4)豊永高史,廣岡知臣,尾野 亘,他:大腸に於けるESDのメリットと適応および治療成績.消内視鏡 20:346-353,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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