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文献詳細

雑誌文献

臨床外科65巻8号

2010年08月発行

文献概要

特集 ESD時代の外科治療 大腸癌に対するESD

奈良県立医科大学附属病院での「外科の対応」―消化器外科医が施行する大腸ESD

著者: 内本和晃1 藤井久男2 小山文一1 中川正1 中村信治1 植田剛1 錦織直人1 中島祥介1

所属機関: 1奈良県立医科大学消化器・総合外科学 2奈良県立医科大学中央内視鏡・超音波部

ページ範囲:P.1116 - P.1121

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要旨:大腸ESD(内視鏡的粘膜下層はく離術)は,手技の困難性や穿孔時の腹膜炎の危険性から,まだ臨床研究の段階である.ESDは主に消化器内科医によって施行されていると思われるが,消化器外科医もその適応や合併症について理解しておく必要がある.大腸ESDを施行するにあたり,安全性が第一で,そのうえで腫瘍学的に適切な治療選択肢か,患者のニーズはどうか,ESD施行体制は整っているか,穿孔時や施行中断時の対応などについて,消化器内科医と話し合っておかなければならない.当施設では,われわれ消化器外科医が大腸ESDも行っているので,内視鏡治療から腹腔鏡下手術を含めた外科的治療まで,同じチームで治療を行うことが可能である.

参考文献

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3)大腸癌研究会(編):大腸癌治療ガイドライン 医師用2009年版.金原出版,2009
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10)Yamaguchi N, Isomoto H, Nishiyama H, et al:Endoscopic submucosal dissection for rectal carcinoid tumors. Surg Endosc 24:504-508, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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