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書評
岡田晋吾,谷水正人(編)「パスでできる!がん診療の地域連携と患者サポート」
著者: 小西敏郎1
所属機関: 1NTT東日本関東病院
ページ範囲:P.122 - P.122
文献購入ページに移動 本年4月の医療費改定でがん診療においても,地域連携を行えば医療費が加算されるようになった.胃がん・大腸がん・肺がん,乳がん,肝臓がんのいわゆる5大がんに前立腺がんを加えた6種のがんが対象である.全国のがん診療連携拠点病院や都道府県認定のがん診療拠点病院では,地域連携の診療計画書(地域連携クリティカルパス,以下連携パス)を患者に渡せば,患者一人につき退院時の1回のみであるが750点を加算できる.また紹介を受けた診療所では,毎月1回300点を加算できることになった.
しかし手続きの面倒さに比べて決して大きな額ではない.この程度の加算額では,拠点病院もクリニックも,経営上のメリットからがん診療連携を積極的に推進することにはならないだろう.また地域連携は東京や大阪のような大学病院が多数存在する地域では,医師同士に大学や医局のつながりがないので進めにくいのが実態である.いわゆる医師同士が顔の見えない関係では連携が困難である.また再発の可能性の高い進行がんの場合は紹介しにくい,受けにくい,といえる.
しかし手続きの面倒さに比べて決して大きな額ではない.この程度の加算額では,拠点病院もクリニックも,経営上のメリットからがん診療連携を積極的に推進することにはならないだろう.また地域連携は東京や大阪のような大学病院が多数存在する地域では,医師同士に大学や医局のつながりがないので進めにくいのが実態である.いわゆる医師同士が顔の見えない関係では連携が困難である.また再発の可能性の高い進行がんの場合は紹介しにくい,受けにくい,といえる.
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