文献詳細
1200字通信・33
文献概要
第31回(66巻10号)で,「そこに山があるから」とはじめて言った人のことを書きましたが,好奇心の赴くままにさらに調べを進めたところ,「そして謎は残った―伝説の登山家マロリー発見記」〔ヨッヘン・ヘムレブ,他(著)文藝春秋社,1999年〕という本に辿り着きました.そして,その人,英国人のジョージ・リー・マロリー氏が1924年6月にエベレストで遭難死してから75年後の1999年に,標高8,160mの地点で遺体として発見されていたことを知りました.
実は,マロリー氏はそれまでにも繰り返し遠征隊に参加しており,そのために「なぜわざわざエベレストに登りたいのか」という質問が繰り返されたようで,それに対して“Because, it is there”とだけぶっきらぼうに答えたのだろうとの説明がありました.そうすると,この“it”には「過去に何度か挑戦し失敗している世界最高峰のエベレスト」という深い意味が含まれていたことになり,これを日本語で単に「山」とだけに訳してよいものかと複雑な気持ちになってきます.
実は,マロリー氏はそれまでにも繰り返し遠征隊に参加しており,そのために「なぜわざわざエベレストに登りたいのか」という質問が繰り返されたようで,それに対して“Because, it is there”とだけぶっきらぼうに答えたのだろうとの説明がありました.そうすると,この“it”には「過去に何度か挑戦し失敗している世界最高峰のエベレスト」という深い意味が含まれていたことになり,これを日本語で単に「山」とだけに訳してよいものかと複雑な気持ちになってきます.
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