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臨床報告
偶然発見された特発性気腹症の2例
著者: 鈴木紳祐1 亀田久仁郎1 後藤晃紀1 吉田謙一1 長嶺弘太郎1 久保章1
所属機関: 1横須賀市立市民病院外科
ページ範囲:P.1559 - P.1562
文献購入ページに移動症状を呈さず,偶然に発見された腹腔内遊離ガスに対し,保存的に経過観察をして良好にコントロールしえた特発性気腹症の2例を経験した.ともに腹部X線およびCT検査で腹腔内遊離ガス像を認めたため消化管穿孔との鑑別に苦慮したが,腹部症状がなかったため手術は施行しなかった.上部消化管内視鏡検査を施行したが,潰瘍性病変や悪性腫瘍は認めなかった.1例では2か月後に腹腔内遊離ガス像を再度認めたが,自然に軽快した.特発性気腹症は稀な疾患である.本疾患は消化管穿孔との鑑別を要するが,腹膜刺激症状がなく,内科的治療で改善するとされる.そのため,症状を伴わない腹腔内遊離ガス像を見た際は本疾患を考慮する必要がある.
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