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臨床報告
虫垂粘液囊胞腺癌によって腸重積をきたした1症例
著者: 小西啓夫1 小池浩志1 山口明浩1 菅沼泰1
所属機関: 1公立山城病院外科
ページ範囲:P.1563 - P.1566
文献購入ページに移動患者は78歳,女性.心窩部痛を主訴に近医を受診し,精査・加療目的で当院を紹介され受診した.腹部CTで横行結腸内に囊胞性腫瘤を先進部とする腸重積の所見を認めた.下部消化管内視鏡で腸重積を整復したのち,再度,CTを施行して径40mmほどの虫垂粘液囊腫と診断した.治療は待機的に開腹術を行い,悪性の可能性も考慮して右半結腸切除術およびD3郭清を施行した.病理組織学的診断で虫垂粘液囊胞腺癌と診断された.同腫瘍が原因となる腸重積は比較的稀である.治療は切除術が基本であるが,腹膜偽粘液腫をきたさないことが重要である.そのため,腸重積の整復の必要性や腸管の切除範囲などを考慮する必要がある.
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