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文献詳細

雑誌文献

臨床外科66巻2号

2011年02月発行

文献概要

交見室

検診マンモグラフィ

著者: 出口浩之1

所属機関: 1ときわ病院外科

ページ範囲:P.226 - P.226

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 私が神戸市内の大手検診機関の非常勤嘱託医としてマンモグラフィ読影に携わり6年が過ぎた.毎週1回,百例あまりの症例に目を通すので,年間数千例を見ていることになる.おかげで今や腫瘤や石灰化病変には何ら躊躇なく読影は進むが,時として読影のペースが一瞬止まることがある.FADである.

 FADとはマンモグラフィにおける乳腺実質の所見のなかの用語で,局所性非対称性陰影(focal asymmetric density)を指す.似て非なるものと言ってよいのか,非対称性乳房組織(asymmetric breast tissue)なるものもある.結論から言えば,後者は原則としてカテゴリー1(正常範囲の乳腺のバリエーション)であるが,前者(FAD)はカテゴリー3の場合も1の場合もあり,この見極めが難しいときがある.検診マンモグラフィで要精査(カテゴリー3以上)と判定される頻度は,一説によれば約6%と言われている.ある時期,ある地域で要精査事例の頻度が11%前後の時期があり,当該地区の二次検診施設がパンク寸前になったということを読影認定医更新試験の会場で耳にした.この差というものはひとえにFADをどう読むかにかかっている.言い換えれば,FADを自信を持ってカテゴリー1とどれだけ判定できるかにかかっているのだ(私の言葉ではない.マンモグラフィ業界の著名な放射線科の先生が述べていた).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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